amber gris/チャイルド・フォレスト

ミニアルバム

1.悲しみ暮れる黄金丘陵 ★★★☆
南国の風感じるギターが気持ちいいミディアムテンポのロック。吹き抜けたり、そよそよと吹いたり。
というか、ラクリマの南国をシンプルかつ耽美的にした感じっすね。
ボーカルが帆を張るかのように声を張り上げて歌う、アッパーなサビも爽快です。
そんな曲なので、ﾘﾝﾄｰﾝﾘﾝﾄｰﾝのコーラス部分以外、あまり悲しみ暮れるって感じはしませんが。

2.over flow girl's sick ★★★★
ドラマチックなロックです。
悲しみ暮れる憂鬱なメロディからいきなりテンポアップ、加速して『少女を殺した』と決め決めで歌う展開が非常にかっこいい！
寂寥を叫ぶかのようにエモーショナルになるサビもグッド、それがパワーアップする大サビはベリーグッド。
でも最後の踏んづけられたネズミがあげるようなシャウトはいらないかな。

3.Amazing world ★★★★
カッティングとある幽玄なメロディのギターが上手く絡んだアップテンポのロック。ボーカルはキャッチーなメロ歌いながらもどこか陰があり、それがいい。
サビはマジアメージングワールドです。手鞠さんの詩と合わせて思わず「絶景かな」と口から出そうなほど、ダイナミックに広がり盛り上がります。
ただ最初のサビに入る前にﾎﾞｺｯと音割れするのが気になる。録音ミスですかね。

4.海風と雨と最後の手紙 ★★★☆
ここで落ち着いたミディアムテンポのバラード。
午後の太陽を頭上に、うなだれてるかのようなしんみりしたAメロが素晴らしい、詩の世界を存分に曲で表現できてます。ボーカル作詞作曲なだけありますね。
「お話はここで終わり」と宣言してBメロに入りますが、もっとお話（Aメロ）を聞いていたい。
以降は悲しみながらもここからは前に進もう感が感じられます。

5.snoozy and roll ★★★
快活な伴奏挟みながらも、繊細で静謐、遠くから鳴り響いてくるかのようなスヌージーなギターと、おとなしめのゆったりしたボーカルが前曲の雰囲気を引き継いでいるのですが、サビはうららかポップに、午後のオサレなランチが始まります。
さらっと聞けるロックです。
ヴィジュアル系は陽の当たらない場所でブツブツいいながら聴くのが相場なのに、この曲は、というかこのバンドは聴いてると日光浴したくなってくるから不思議です。

6.深緑のローレライ ★★☆
深緑とありますが、深海8000m 少年は溺れ死んで昇天って感じの透明なバラード。
水中の泡沫を表現しているっぽいギターと閑寂なボーカルにだんだん眠気を誘われ、いつの間にかアルバムも終わってます。

7.
無音。メンバーがこだわりあって入れたらしいです。別にCDが止まれば無音になるんだから入れる必要ねーだろもう1曲なんか入れろといいたくなります。

総評 ★★★
このバンド、つべで軽く試聴したときは9GOATSの白系というか、退屈スルメな音鳴らすイメージだったのですが、いざCD買って聴いてみると結構無難でとっつきやすいロックしてます。ガツンとくる曲はないですが、捨て曲もないです。
まあ正直なところ、アルバムのまとまった雰囲気をぶち壊すかもしれませんが、コスパ悪いのでシングル2枚もそのまま放り込んでフルアルバムにして欲しかったです。