DEZERT/タイトルなし

2nd

1. ----
禍々しいスローな鈍重ベースと不安を煽るボーカルにより悪魔召喚儀式的様相を持った暗黒導入部

2.「嘔吐」★
前の導入部がそのままテンポアップしてボーカルがデスヴォイス&シャウトで発狂、したと思ったらまた導入部に戻った
曲数稼ぎはやめて潔く一曲にまとめようぜ

3.「殺意」★
超シンプルな歪みに歪む重低音リフをバックにヴォーカルがさづい゛さづい゛デス濁声で叫び散らすヴィジュアル系ハードコア
と思わせてといてサビになるとクリーンボイスでキャッチーになる予想ももちろん裏切らない
もうネオV系では手垢のつきまくったヴォイヴォイ→キャッチーサビの曲ですがだいぶパンク寄りで若干新しい
それでも無駄にキャッチーにならず最後までさづい゛!さづい゛!連呼してたほうが、「量産型の音楽を金に変える君〜」なんちゃら皮肉に歌ってるけどこの曲自体が量産型じゃないんか?あん?とケチつけるぼくにまで殺意が伝わってきていいと思います

4.infection ★★
お経歌唱法パートや貴様ら頭を振れい!と言ってるような退屈縦ノリヘヴィリフ&デス声パートを交えつつも基本的にダークかつキャッチーな聞きやすいヴィジュアル系ロック
にしてもせっかくの良メロのサビなのに後ろがやかまし
演奏いらないからアカペラで歌ってくれたほうがよかったです
infection-acoustic ver-がいつかカップリングかなんかで出るの待ってます

5.胃潰瘍とルソーの錯覚 ★★★★
タイトル的に奇抜な文学ロックを期待したけど通常運行ディルのFILTH的食人エログロな詩世界
かといってこの手の曲にありがち狂気演出シャウトデスヴォイス連発アギャギャギャパートは全くなく、ノリのいいバッキングに乗せてボーカルが猟奇的な詩を美しいと言っていいほど何一つ濁りがないクリーンボイスで全編歌いあげてます
Bメロの「右腕のジュース♪右足のパスタ♪右目入りゼリー♪(超ポップ)」のマジキチクラシカルな盛り上げから、ファルセットが冴える切ないサビへのもって行き方なんて完璧パーペキパーフェクト
演奏も前曲と違って歌をひきたてる程度に抑えた控えめヘヴィなものなので、ボーカルの最高に光ったメロディセンスと歌声を堪能できるぜ

6.「擬死」★★★
底無しの闇へ向かう螺旋階段を降りていくような恐ろしいイントロで幕を開け、その後度々曲調を変えてブチ切れ発狂パート、ディルアングレイの何かで同じようなメロディを聴いたことがあるような気がするけど多分気のせい荘厳パートを挟みつつ展開していくヴィジュアル系プログレッシブスラッジドゥームヴィジュアル系メタル
そしてようやく曲が終わったかと思うとまたイントロが始まりおよそ6分間聴き手にトイレに行く暇を与えてくれない
大作志向も結構ですがまだ発展途上な感じ
もうアルバム5枚くらい出した後にセルフカバーしたら、ディルのウロボロスの曲群にも負けないくらいの名曲になりそうなポテンシャルあると思います

7.さぁミルクを飲みましょう。★
歪んだ禍々しいアルペジオの上でボーカルが周囲の誤った自分への解釈に怒りの炎を静かに燃やすスローバラード
ぼくにしてみれば何かと耳が痛いし何の起伏もなくだらだらと5分以上続くのでしんどい

8.「軽蔑」★★
めちゃくちゃベタなギターイントロで始まり、やはりベッタベタなポップス的展開を見せるヴィジュアル系切なめポップチューン
詩なんてド普通な失恋風だし、演奏も今までの重さや歪みはどこへいったのか、ボーカルのV系特有ナルシストボイスがなければてめーらバンプオブチキンですかと問いたくなるほど超軽快&爽やか
毒にも薬にもならない!と一蹴したいのですが、今まで猛毒といっていいような曲ばっかだったのでめちゃめちゃ薬になってます

9.doze.★
蜉蝣のXII dizzyからキレをなくした感じの変態発狂ヴォイヴォイチューン
個人的に最近うんこのキレが悪いのですがこの曲でますます悪くなる

10.脳姦少年 ★★
狂気演出レロレロ歌唱するボーカルと、パーティーチックに派手なサウンドをかき鳴らす楽器隊の頭の出し合いが中々かっこいい哀愁変態レトロック
でも後半は詩は相変わらずマジキチだけど胸きゅんしちゃうような切ないJ-POP風に
この曲もどことなく蜉蝣のかほりがただよふ
ボクトキミトキミトボクノセンソウ♪のとことかボクヲスキニサセチャウカラネ♪ボクトコウビ♪思いだしちゃいましたよ

11.「教育」★★
劈頭第一に「お前が嫌いさ」と叩きつけられそのままひたすらボーカルに嫌われるサビで急にキャッチー曲
ゴリゴリ単調リフに変態声で「キョォーイク」のとことか「嫌いさぁ〜」のとことかライブで客と一緒に歌って一体感を得ようとしてんのが見え透いてきます。きっとアンコールの定番曲でさぞかし盛り上がるのでしょう。というわけでCDで聴いてもイマイチな曲なので、ぼくは行かないけどみんなDEZERTのライブに行きましょう!
にしても後半いきなり蜉蝣ライクな曲が増えましたね
DEZERTに限らずこういうエログロ変態根暗曲をやるヴィジュアル系が最近増えてる気がするのですが、改めて大佑のカリスマ性を思い知らされました
蜉蝣してえよ......

12. -26時の冷凍庫-
ほとんど気色悪い楽曲ばっかだったのに最後だけやたらと美しい浄化END。雨音とピアノでしっとりしたラスト。
いいですね、はい..........................................ってなげーよ!面白いフレーズでもないんだから1分くらいで終わってください!

総評 ★★
ディル、蜉蝣あたりの系譜にあろうエログロックバンドDEZERTの2ndアルバム
ボーカルの声とメロディセンスはめちゃくちゃ好みでした。それ以外はいまいちでした
けれど新ギターも加入してこっからどんどんかっこよくなっていくと思うので来月の3rdはそこそこ期待して待ってます