Moran/jen:ga

1st

1.薔薇色の地獄 ★★
Soan作曲。PVありのリードトラック。
扇情的なピアノやサックスが妖しく奏でられ、大人の色気たっぷりのジャジーなイントロに、うおおおお!これはsugarの再来や!っと興奮したのも束の間、ボーカルが入ってきてズコー。
Fatimaの頃と比べれば表現力は上がってるし、楽器隊と共に色気を出そうとしてるのもわかりますが、なんていうか、うん、、、合ってない!!
最後のスキャットとかも聴いてて残念な気持ちに・・・。まあ慣れが必要なのかもしれませんが。
曲自体もよく聴くと何かごちゃごちゃしてていまいち。落ち着きがあってリラックス系の曲調なのに、それぞれの楽器が主張しすぎて騒々しい。
sugarのantlionあたりの洗練されたジャズロックと比べるとその差は歴然。
と、比べてばかりいるのもいけませんが。

2.紅差し ★★★☆
Sizna作曲。シングル曲。
引き続きジャズロック。こちらはシャッフル調、全編に渡って跳ねまくりのピアノが軽快さとオサレ度をアップさせつつ、楽器隊もノッリノリのプレイ。
特にギターソロなんかはドヤッ!と二人がここぞとばかりにアピールし合ってて非常にスリリング。
ネックであるボーカルも、相変わらず合ってない気はしますが前の曲ほど気になりません。
・・・でもやっぱりLokiが歌ってれ・・・と言うのは野暮でしたすみません。
・・・でもsugarの苦悩と憂鬱〜なんかと比べると・・・しまったまた比べてしまったすみません。

3.ロワゾ・ブルー ★☆
Soan作曲 シングル曲。
ジャズっ気はまったくなくなり、一気に曲のカラーが変わりました。
どぎついサイケデリックなシンセを前面に押し出した、シングルらしいアッパーチューン。ですが雰囲気は張り詰めていてダウナー。
このシンセがどうもこってりしていて好きになれない。どっかの危ないクラブかなんかで流れてそうなダンサンブルなノリ。
決して曲のシリアスさを損ねているわけではないのですが、うーむ、例えるならオリーブオイルたっぷりで作ったパスタにもこみちが追いオリーブしてる感じ。
ボーカルに関しては曲と声質の乖離もないのでいいんですけどね。

4.Bulbs ★★★
Soan作曲
きらびやかなシンセとピアノが冴えた白系ロック。ボーカルも曲にハマってます。
やはり装飾過多のような気もしますが、さっぱりとしたクリアな音なのでまあいいや。
ギターとベース役割交代してるみたいで、ベースがいなせに動き回る代わりにギターはサポートに徹してます。
ラストはギターの華麗なる演奏で締めてますけど。

5.メランコリア ★★
Sizna作曲。
ヴィジュアル系ありがち終末系の詩が乗った疾走ロックナンバー。曲も終末らしい緊迫感。
「人格者ぶってた奴らが誰よりも先に逃げ出した」の一句が印象的。
よほど終末は早かったらしく、一分半で終わっちゃいました。
短いながらも捨て曲扱いしておらず、しっかり作り込まれてます。

6.夜光虫 ★★★
Sizna作曲。通常版限定曲。
泡沫なシンセがふつくしい、ミディアムテンポの白系バラード。
Soanさん作曲かと思えるほど、Siznaさんが精一杯Moranしてます。たゆたう感じが気持ちいい。
このくらいのシンプルさがちょうどいいですね。優しく丁寧に歌い上げるボーカルもグッド。
まったく何故これを通常版限定にしたのか不思議です。もっと外すべききょk

7.Wing or Tail ★★
Soan作曲。
白系ロックが続きますが、今までの華やかさは自然と消えて侘しくなりました。
幻想的で消え入りそうなギターのリフレインが気を滅入らします。
加えてボーカルもいつになく曲にマッチしていて、サビなんかでは悲哀を帯びてより寂しい。「3月に置き去りのぼくは一人春を待ち」感がよく出てるよ!

8.ReCover ★★
vivi作曲。
ライブでは観客煽りそう系攻撃的なギターリフで幕をあけ、三分間を突っ走るロックナンバー。
この手のハードな曲なのに、ボーカルはFatimaのときみたいに変に狂気演出した歌い方しないのがポイント高し。
普通の歌い方で曲の持ち味を最大限に引き出してます。
サビではパワフルなドラムとともに力強く歌い上げ、Hitomiの顔が眼前に迫ってくるかのようです。

9.Maybe Lucy in the Sky ★
Sizna作曲
前の曲よりハードになったせいで昔の血が騒ぎ出し我慢しきれなくなったのか、ボーカルがFatimaのときみたいに変に狂気演出した歌い方するのでポイント低し。
デスヴォイスもどきは聴いてるこっちが恥ずかしくなってくるし、特にサビのドスをきかせて英詩を叫ぶところは噴飯もの。
ラストのヴォイ!ヴォイ!イェーーーイ!で俺はそっとCDプレーヤーの停止ボタンを押した。

10.Eclipse ★★☆
Sizna作曲。シングル曲。
3曲目同様サイケなシンセが前に出た、アップテンポの疾走ヴィジュアルロック。
両曲ともシングル曲だからって、派手にすりゃいいってもんでもないと思いますが。
まあこっちは3曲目ほどけばけばしさはないし、楽器隊より胸苦しくもよりキャッチーな歌メロのボーカルが強調されてるので聴きやすいです。

11.ある策士との遊戯録 ★★★☆
Sizna曲
久々にジャジーなナンバー。アップテンポで、2曲目はピアノが活躍してましたがこちらはサックスが主役。
なのでお洒落ながらもかなりファンキーで皆エンジョイ&エキサイティング!!(ワイアルド団長風に
フィーバー中のカジノ的雰囲気です。
ギターソロはナルシスティックに魅せてきますし、ベースもサックスやギターに負けじと躍動してます。
詩にアルバムタイトルのジェンガが出てくるのでおそらくリードトラック。

12.浮遊病 ★★☆
Soan作曲。
曲名よろしくふわふわと浮遊感溢れるシンセが温かい白系バラード。
後半結構ぶっ飛ばした曲が多かったので、このまったりとした曲調が非常に気持ちいい。
白系締め曲らしく、ファルセットを使ったコーラスでぼくらを浄化してくれます。

13.The last piece of jen:ga
Sizna作曲。通常版限定。
前の曲の流れを汲む4分間の浄化endインスト。歌詞カードにはこの曲に乗せて語る予定でもあったのか、ポエムが載ってます。

総評 ★★☆
視聴してもピンとくるものはないバンドだったのですが、sugarのsiznaさん加入後初のフルアルバム!ってことで買ってみました。が、やっぱり響くものはありませんでした。普通。sweetestで受けた衝撃とは程遠いです。ヴィジュアル系では良心的なほうなのかもしれませんが、CDの売り方もなんか嫌ですし。
そこそこいい曲もあったので2ndでの成長期待。