DISH/春と訣別と咲乱

1.May
SE。ちょっと英語が恥ずかしい。

2.箱船 ★★
退廃的雰囲気を持つ、7分程度の壮大なバラード。
それは鉛灰色な轟音の洪水の中を行く当てもなくたゆたう一艘の箱船を想起させ・・・とか例えようによっちゃいくらでも名曲っぽく例えられますが、ぶっちゃけ初っぱなからダレる。
長尺シューゲイザー風ナンバーですが、この手の曲にしてはリフレインされるフレーズにもメロにもサウンドにもこれといった聞き所がない。
でもまあ所謂「世界観」はいいんじゃないでしょうか。終始アンニュイなボーカルとか雰囲気出てます。
それからこちらの集中力が全開な一曲目にもってきたのは正解ですね。

3.DISCO BEAT EMOTION ★★
その名の通りディスコ調のミディアムテンポのギターロック。
オルタナ風の透き通ったギターに寂しげなボーカルできれいめ、あんまりエモーションはしてねぇじゃん！と思うも、ラストのサビではシャウト連発、ボーカル重ね録りしたりして確かにう〜ん、えも〜しょなる。
テンポいいしそこそこポップで聴きやすいですがそろそろストレートな楽曲を・・・。

4.バニラ ★★★
とか言ってたらここにきてようやくキラーチューンｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!!
何かボーカルから凛として時雨な感じがするロキノン風ギターロック。
打ちひしがれたように女々しく歌ってたのに、轟音バッキング＆シャウトと共に一気にペーソスな感情が爆発してエモるサビがかっこいい！ヴィジュアル系swervedriver！・・・は言い過ぎですか。
特典でこれのアコースティックバージョンついてきたし、きっとバンド側も一押しのリードトラックなのでしょう。

5.SNOW EMOTION ★★
エモーショナルシリーズ2。3曲目よりディスコしてるミディアムテンポのロック。
今まで主張控え目だったベースがグルーヴを出しに来ててダークながらもノリのいい仕上がりに。
やっぱりボーカルはサビでう〜ん、えも〜しょなる。
だが、ここにきてそこそこ魅力に感じてたそのボーカルの歌い回しがワンパターンだということに気がつく。

6.49 ★
またまた壮大なオルタナ系スローバラード。
諦念に満ちた歌謡臭いAメロはいいけど、2曲目と比べるとシューゲイザー成分は失われちゃったし、おっ！とくる箇所はやはりないしでもちろんダレる。
それからあまり言いたくないですが、詩がティーンズじゃないと聴いててちょっと辛いよ。バラード系は歌が目立つので特に。
ヴィジュアル系でこの手の曲するならdeadmanのthis day this rainを100回聴くべし！

7.サミダレイン ★★
雨音と雷の音のSEから始まる、ダウナーながらも熱い疾走ギターロック。ちょい既視感がありますがらシングルらしく聴きやすい。
ボーカルのワンパターンな歌い回しに飽き飽きしていたとしても、こればかりはかっこいいと言わずにはいられない！
五月雨のごときクリアながらも激しいギターのリフレインに最初から最後までエモいボーカル。
特にサビはこのアルバム随一のエモっぷり。「わ！ら！う！なクズ！」には悲痛を通り越して鬼気迫る怒りが感じられます。
・・・こう書くと「は！か！た！の塩！」みたいでちょっと笑っちゃいますね。ええ、そうでなくてもぼかあクズですよ。

8.LIVINGDEAD GIRLFRIEND ★★★
日本のシューゲイザーバンドが好んで使いそうなベタな2単語を題した曲ですが、結構普通のギターロック。
特に盛り上がるわけでもないんだけど、ボーカルのエモりにはさすがにうんざりしてたし、何よりクールでソリッドなギターリフがそこそこかっこいい。
シンプルイズベストってのはこのことですね。

9.ドレスフラワー ★★☆
聴きやすい曲が続きます。
清涼感のあるギターとボーカルの高音コーラスが気持ちのいいオルタナ風ギターロック。
思い切り泣きはらした後のようなある種のカタルシスがあるので、この曲で終わってくれても良かったかも。

10.ナミダレイン ☆
7分のオルタナ系長尺バラード。
いや、興味のないジャンルって全部同じ曲に聞こえてしまうのは否定できませんが、このアルバムのバラードは全部代わり映えのしないアルペジオ→轟音ギターが入るサビって展開の作りばっかじゃないすか。
しかもリフやサウンドで違いを出すわけでもないし、ボーカルもサビでエモってばっかである種ヴォイヴォイ→キャッチーなサビバンドと同じ安直感。興味云々抜きにしても完全に画一的、没個性。
どれくらい違いがわからないかというとぼくと福山雅治の顔くらいかな(ガリレオスマイル）

11.メロウイエロウ ★
と、文句を垂れていたところでまた同じようなバラードですよ。
ミディアムテンポでダレないだけマシか。

総評 ★★
帯でシューゲイザー/オルタナ/ポストロックを軸に・・・と宣伝してますが、そこらの売れないロキノン系バンドがV系になってみました(^_^)Vって感じで肩すかしを食らいました。
生音に拘る(ノーシンセ）もいいですが、もうちょい技術が身についてからでもいいんじゃないでしょうか。
価格はV系にしちゃかなり良心的なのでおすすめ。