OZ/COMPLETE BEST ALBUM DISC4

1.Reverse ★★★
11thシングル
ここにきて電子音を取り入れたインダストリアル風メタル。
最初はへッ!ネタ切れ臭プンプンだね!と思うも、これが案外ハマってます。
特にデスヴォイスとシャウトの雄叫び&ヘヴィリフで一気に爆発するエモーショナルなサビ部分。これと後ろで冷たくクールに鳴り続けるシンセとのコントラストがかなりいい味出してます!
それから他のメンバーのデス声コーラスも、曲を熱くするのに一役買っててオッケー。

2.Unseal ★★★
11thシングルc/w
悲壮感のあるクラシカルなメロ、かつヘヴィなリフが前に押し出されたラウドロック
ボーカルはデスヴォイスしないと死んでしまう病がようやく完治したらしく、普段ならアクセントでアンギャー、ヴォ゛ォ゛ォ゛イ゛といきそうなところもノーシャウト、ノーデスヴォイス。普通にクリーンで感情表現しててスキルアップが窺えます。
ギターソロもキマッてるしこれは結構な佳作。
しかし、引き続きインダストリアルな風味がちょっぴりリズム隊にあるような気がするんですが、前の曲では新しい風をもたらしていたのに、この曲では楽曲をいたずらに小綺麗にしてて逆に羈絆となってるような。

3.Ecdysis ★★
なんだかシンフォニックメタル風のバラード。ボーカルは北欧メタルのバラードよろしくハイトーンで声張り上げてます。
楽器隊もボーカルに合わせた演奏してていいんですけど、本家に比べると見劣りしちゃうし、もうちょいヴィジュアル系らしさが欲しい。

4.STIGMA ★★★☆
12thシングル
サイケデリックなイントロからシングルらしからぬ捨て曲臭、だがそれは最初だけ。
曲自体はOZお得意のサビでキャッチー曲なのですが・・・、うむ、これは進化したぞ。 主にギターが。
Aメロではボーカルに呼応するかのようにピロピロとリードしてみせ、Bメロは地味ながらもツインギターがセクシーに絡まり合うフレーズを奏で、そしてサビでは今まで押さえ気味だったボーカルと共に超キャッチーに爆発だ!
今までのこのタイプの曲のAメロ・Bメロは、デスヴォイスとつまらんヘヴィリフでヴォイヴォイゴリゴリするラウドV系お定まりタイプでしたが、この「STIGMA」・・・、一味も二味も違い
を見せつけてくれるぜ!
他には技術より退廃的雰囲気を重視したかすれ気味のギターソロがいい!
ギターのプレイを大いに魅せながら徐々にフェードアウトしていくアウトロもいい!

5.Trusty ★★★
12thシングルc/w
ストレートに疾走するラウドロックですが、ボーカルの歌い方の幅がひろがって新鮮です。
なんだか捨て鉢で男気を感じるパンキッシュな叫びを見せるAメロとサビ。Bメロのお得意デスヴォイスパート。もちろんV系特有ナルボイスも入ってるし盛りだくさん!
そろそろ昔の曲を再録して欲しいけど、・・・そうだ、もうOZはいないんだったな・・・。部屋ががらんとしちゃったよ。

6.Blast ★★☆
ミディアムテンポのデスメタル
ようやくこの手のデスメタナンバーも進化して来ましたね。苦手なジャンルなことには変わりませんが、そんなぼくにも聞き分けがつくように。
ギターはちょっと退屈だけど、ベースがテクニカルにドヤっと顔出すAメロ、メンバーのパワフルなコーラスとの掛け合いでいつもより余計に凶悪なサビ、かっけーよ。

7.Flash back ★
凶悪な早口デスヴォイスで思いっきりデスメタルした後、不気味な女性コーラスでゴシックな雰囲気に。
とにかく洋楽もどきでいくのかと思えば、今度はサビで「蛍火ひと〜つぅ〜」だの「彼岸花は〜」だの詩もメロも木に竹をついだようにジャパニーズに。
和洋が反発し合ったイマイチな曲。シチューと白いご飯は合わない。

8.eve.
ここから13まで2ndミニアルバム「crunk」
アルバムを出せた喜びを素直にイ゛エ゛ーイ゛と表現し、音圧がパワーアップしたことを見せつける導入部。

9.Succubus ★★★☆
PVありリードトラック。
前作のPVありリードトラックではちょっと大衆に媚びた感がありましたが、今回はもう無手勝流にぶっ飛ばし叫びまくったラウドロック。それでいてキャッチーさはあるし、それが不自然にとってつけたものでもない。
ニゾンするギターソロなんかは・・・ハッ、そうだな、そのツインギターサキュバスの両の牙の如く鋭利さと蠱惑さとを持ち、この音に魅せられ噛み付かれたのならばそれはもう後の祭さ。気づけば虜になってるよ。「OZ」という魔物のね・・・。

10.Holy[CRAP BGM] ★★☆
ブチキレたボーカルと鬼のようなツーバス(多分)とでストレス発散してるデスメタルナンバー。
そろそろ本格的なメタル勢と渡り合えるようになったんじゃないっすか。
ぼくにはこの手のコアな曲の判断は致しかねます。

11.I killed yesterday’s me ★★
北欧メタル風のオペラ的歌唱法の後、前の曲のようにギャースカブチキレるという、いつものAメロBメロとサビが逆転したようなのメタルナンバー。いまいち。

12.Destination ★★★☆
いいじゃんいいじゃん。
スピーディーなヘヴィリフとデスヴォイスで絶叫するボーカルはいつものOZ。それに後期Laputaのようなトランス的電子音が煌びやかに鳴らされて、こ、これがOZ流ポストメタルか・・・!このAメロが最っ高!
ディスク4では定番となったコーラスワークもシャムシェイドのGET A LIFEみたいな男臭さでいい。
それだけにサビでキャッチーになるのがこれほど残念な曲はない。10曲目みたいな曲でこういうアプローチをして欲しかったな。

13.Again:st ★★★★
そして伝説・・・OZサビでキャッチー曲の集大成へ・・・。
上へ上へと突き上げるような超アッパーギターリフが爽快!ンギモッヂイイッ !!
短い曲なのにちゃんとしたソロもあるし一瞬の隙もない。
ボーカルは空耳がはかどる咆哮をあげた後、何だかいつも以上にに気合いというか魂-ソウル-が込められたクリーンパート。凄みを利かせてるというか、少なくとも今までのナルシストボイスとは違う。何かが宿ってますね。
少年漫画の主人公が追いつめられ、窮地でパワーアップしたときのような興奮と高ぶりを覚えました。

14.Edge of desire ★★★
配布曲。
ミディアムテンポのラウドロック
絶望から光を目指すというありがちなテーマですが、そんな詩を一語一語力強くボーカルが歌い上げ、中々感動的な仕上がりに。ラストのグロウルもいいアクセント。
サビでは荒々しく鈍重な楽器隊が、ポップで伸びやかな歌メロと乖離してる気もしますが、きっとこのあたりが絶望から光を目指してもがいてる感を演出してるんだろうね。

15.to CONTINUE ★★★
そしてよくバンドの解散ベストに見られる、○○が最後にぼくらに残してくれた新曲。
「忘れない君との日々」「同じ夢を見た愛しい日々」「誰も別れを受け入れながら」「いつか来る終わりの日は忘れたふりした」 と、もちろんファンの涙を誘わないわけはない句の数々。物憂く歌うボーカルに、ファン歴2日くらいのぼくももらい泣きしたぜ。
曲調はバラードではなく、OZらしい純粋な哀愁疾走ナンバー。ですが、クリアで清涼感のある音色のギターがとても新鮮。ピアノに泣きのギターソロ(いや、マジで泣いてるよこれは!)と、これでもかと感動要素が取り入れられ、これらが奏でるアンサンブルに感無量。拝聴しよう。

総評 ★★★☆
ディスク4は有終の美。というかcrunkは名盤だったんですね。
4枚組ですが、曲数的には大体アルバム7、8枚分入ってるのでコスパ最高。
あんまりこの手のジャンルに興味なくても1000枚限定だし買っといて損はないと思います。