Develop one's faculties/reincarnation

1st

1.「 」
ボーカルが我々にリンカネーションを促す洒落た導入部

2.insert memory ★★★★★
変拍子の乾いたオルタナチックなギターで始まったかと思うとそこに派手な轟音ギターも加わり、後はひたすら加速していく疾走ロック
サビになるとそれまでのギターロック感がなくなり、勢いそのままで卒然と東京ラブストーリー的どこか都会的なシャレオツさと憂いを感じさせるサウンド
ハイトーンのボーカルも被って来てマジ美麗
ここまであまりに聴く前の期待値を上回っていたので口を間抜けにポカンとあけてると思わずファッ!?とする、オシャンティーな雰囲気を見事にぶち壊す男臭い語り...いや叫びが
ラストは「俺達が前向かないでどうするんだよおおおおおお!!!!!」と野々村議員には及ばないものの鬼気迫る説教を挟んでキメる
この部分は好き嫌い分かれそうだけど俺のハートには熱いものが届いたぜ!
あっという間の四分弱!ごっつぁんでした!

3.フラスコを振ると天秤揺れた(album ver.) ★★★★
シングル曲
カッティング交えた暗く乾いたオルタナギターに、不穏な化学的ピコピコシンセが乗ったアップテンポ気味のロック
化学成分がなくなり、ちょいパッとしない90'sコテオサインディーズヴィジュアル系のリードトラックみたいなどこかオールディーなサビメロがツボ
最初つべでこの曲試聴したときは、ボーカルの声質と曲があってねーな、 タイトルもなんか奇を衒ってる感あって気に食わねえペッペッ、と唾を吐いたものだけど、アルバムで聴いたら別にそんなことはないしいつの間にか不思議な中毒性にやられていた

4.hope(album ver.) ★★★★☆
シングル曲
疾走ギターロックに煌びやかなピコピコ電子音が水際立つ...これは最早ヴィジュアル系サカナクション!(サカナクションMステでしか聴いたことないけど!)
サビのクラシカルな歌メロや後半の語りからのシャウト連発パートあたりなんかはしっかりヴィジュアル系もやっててグッド
darkなメロディながらもhopeにむかって手をのばすギャップある詩はベリーグッド
前の曲がメガ進化したような感じですね

5.REAL= ★★★
曲調がガラリと変わって、自分がヴィジュアル系であることを忘れたのか酔っ払ったおっさんみたいな歌い方をするボーカルがちょい攻撃的な説教詩を歌うメリー風レトロック
いやボーカルの声質もあいまってメリーというよりは知る人ぞ知るkyokuto girl friendを思いだす
ギターもアルコール入ってそうな音色
こんな曲までやれるなんて色んな引き出しがあるdevelop one's facultiesマジスゲエ!(ぶっちゃけこの曲だけ浮き気味であんまり好きじゃないけどどうしても名盤扱いしたいから★+1しとくか)

6.ettad ★★★
諦念感のある何だかやるせないミディアムテンポのバラード
ちょい白系っぽいってくらいで、あとは無難すぎて何も言葉が浮かんでこねえ
友達とカラオケにいったときに「あー知らないけど何かいい曲歌ってるなあ」っていうあの感じっすね
でもバラードは聞き込むと急に滅茶苦茶いい曲に聞こえてくることも多いのでまだだ...まだわからんよ

7.ネガティブベイビー ★★★☆
パイプオルガン風の音+ジャジーなピアノ+グルーヴ感たっぷりのせわしないベースと、クリスマスが似合いそうな瀟洒な高速シャッフルポップナンバー
曲だけならイオンのクリスマスケーキのタイアップにでも採用されてそうだぞ
んでそんな曲に乗せてボーカルがネガティブに生きるベイビー達を励ましてくれる応援歌
後半にはネガティブな僕らの気持ちを代弁してくれてるボーカルのコミカルなぼやきが入ってますがこれはぶっちゃけコメディチックになりすぎるのでイランセル☆-1。
さらにラストにみんなの視線をいただきまゆゆ♪なんてレベルじゃないぶりっ子声で「この歌があなたに届きますように(ハート)」
確かに共感できるし届いたけどさー
ていうかこのバンドがどんな方向に向かってるのかまだ把握しかねる

8.瞬間的衝動の果てに失った瞬間 ★★★★☆
ボーカルの訳の分からない叫びから入る変則的で先の展開がまったく読めないカオスティックな超アップテンポのパンク...かな?
賑やかにパーティーポップしてるかと思えば、気が滅入りそうな退廃的ゴシックピアノが入ってクラシカルになったり...
よくわからないけどアヤビエとか涼平さん関連のバンドがやってそうな曲ですね
友利奈緒ちゃんに言わせるならdevelop one's facultiesは「ルォックじゃねえ!ポストルォッグだ!」
そしてその目まぐるしいサウンドに隠れがちで訳のわからない叫びとか言っちゃったけど滅茶苦茶いいこと歌ってるじゃないですか
「生きても死んでもかわらないのなら 生きたくなるまで生きればいい」「その瞬間を嘆いた後のお前の心は殻だ でもそうやって人は歩むんだ はっきょいのこったって踏ん張りな」とか前の曲のネガティヴとさらに対峙するのが泣ける

9.残念な唄 ★★★
超高速精密スラッププレイが最高にイカしたファストなテンポでファスト(2分)に終わるジャジーなナンバー
ジャジーといっても、もうヤケクソといっていいように弾き倒される演奏が最高にむさ苦しくて熱いぜ!
それに乗せてどこか冷めた感じのボーカルが淡々と我々にアイデンティティの確立を暗に促してきますがこの温度の差がいい

10.it is what it is. ★★★★
ここでいきなりディストーションしたハードロック調のギターリフの嵐で始まり、ボーカルが入ると同時に洪水の如くのバンドアンサンブル!爆走メロコアスクリーモで一気に畳みかけるぜ!
シャウトやボーカルはさすがにlynchあたりと比べちゃうとしょぼいけど全体としては彼らのリードトラックにもひけをとらないと思うぞ
ノイジーな電子音声を被せたギターソロもかっこいいしこの路線でいっても非凡な名盤ができそう

11.for ★★★☆
優しく暖かみのある疾走泣きメロディアスなナンバー
シングル曲よりよっぽどシングルしてます
今まで一風変わった楽曲ばっかだったのに、ラストでこんなボーカルも楽器隊もドストレートなラブソングをぶつけてくるのがズルい!もうグッときちまうぜ!!最高!!!、と声を大にして叫びたいところだけど個人的に100万人のために作られたラブソングなんかに僕は簡単に心を動かされたりしないので4、7〜9曲目みたいな詩でやって欲しかった

総評 ★★★★☆
元cocklobinの2人がバンド始めたってよ。と聞いて、えーつってもボーカルとギターのメインの2人じゃなくて解散前に加入した影の薄い2人だろ?...まお安いしお布施するつもりで買ってみっかとAmazonでポチったら・・・単に僕の好みにドストライクなだけだったのかもしれませんがとんでもないアルバムでしたごめんなさい
よく「ジャンルにとらわれない(キリッ」 という売り文句をよく目にするけど本当にジャンルにとらわれないバンドを初めて聴いた
それでいて統一感バラバラなんてことはないし、捨て曲らしい曲はゼロだし、マジヴィジュアル系の横紙を破る新星です
楽器隊を耳で追いかけたくなるのもこのジャンルでは久々
ついそのド派手でかっくいいサウンドに耳が行っちゃうけど、色々前向きでヴィジュアル系を好む層であろうネガティブベイビー達を叱咤激励してくれる詩もいい
アルバムの値段も2000円とディアゴスティーニの創刊号並のコスパなのもゴッド。
2nd、2ndをはやくもってきて!