Dir en grey/鬼葬

3rd

1.鬼眼-kigan- ★★★
京のもつ中学二年性と吉原的日本風俗性が見事に融合したオープニングトラック。
次作のリードトラック、OBSCUREのPV世界がOBSCUREより表現されてる気がします。

2.ZOMBOID ★
「ナースコスプレ舐められながら 我慢できずに射精のお時間でえい 君の顔へと ドバドバビチャビチャ」
で始まる歌詞が色んな意味で酷い曲。
サビは空耳だとドSプレイ!ドSプレイ!
ある意味代表曲の朔-saku-や残-ZAN-より初聴きのときのインパクト強いんじゃ。
蜉蝣あたりのヴィジュアル系にかなりの影響与えてそうです。

3.24個シリンダー ★★★★
これはへんてこなタイトルで損してる気がします。
苦しげな京が歌うダークなミディアムバラード。所々でぼそぼそとした英語のセリフ入り。
枯れたような音の緩急あるギターフレーズが特徴的で、それがサビでは美しいアルペジオに変化します。
このアルバムにも多いですが、Dirの漢字-英語-のタイトルシリーズは何だか名曲だという先入観を聴者に与えることができると思うので、筒-cylinder-みたいな曲名にしとけばもっと人気が出たかも。

4.FILTH ★★
気持ち悪い声でエログロ歌うボーカル&変態的な音を出す楽器隊→キャッチーなサビ
構成のディルお得意ナンバー。
最期は浄化エンド的クリーンなギターに乗せて、京さんがおぞましい詩をぐっちょぐっちょな歌い方でぶつぶつと。
さすがに「肝臓入りのオレンジジュース 腎臓混じりの甘口カレー」だの思春期を過ぎてから聴くと恥ずかしいです。

5.Bottom of the death valley ★★
車がゆっくり発進する的重々しいベースのアルペジオで始まり、そのままベースメインのスローバラード。
といってもギターは歪みに歪みんでるし、ボーカルはサビであ゛ぁ゛い゛あ゛ぁ゛い゛とデスヴォイスで暴れるので案外激しめです。
しかし地味な印象はぬぐえない。
車で自殺、来世でまた会おうイェイ!な曲だそうで。

6.embryo ★★★
シングル版とは歌詞違いでより露骨なものになってます。
変態パパを持つ娘さんの悲劇。
それを不気味な優しさを持つ楽器隊の上で京が物語る儚げなバラード。

7.「深葬」
アルバムに合わないインスト。

8. 逆上堪能ケロイドミルク ★★
お経っぽい気持ち悪い裏声と妖しい三味線っぽい音するギターの忌まわしい和風メロパートと、キャッチー・・・ってほどでもないゴリゴリパートを上手く使い分けた怪作。

9.The Domestic Fucker Family ★
ちょっとノイジーでスラッシーでハードコアな捨て曲。

10.undecided ★★☆
アコースティックギターがふんだんに取り入れられ、草花枯れゆく季節感を感じさせるミディアムバラード。
そんなギターで奏でられるギターソロがまた哀しい。
最近シングルのカップリングで再録されたようです。

11.蟲-mushi- ★★★
タイトルからおぞましく気持ち悪いナンバーを想像してたのですが、引き続き哀しい京のボーカルと鬱々しいアコースティックな演奏の美しいスローバラードでした。
聴者に泣いてんのか?と思わせるほど悲痛を表現しているサビでのボーカルが圧倒的です。

12.「芯葬」
怪しげなインスト

13.JESSICA ★★★☆
いきなりカラーが変わり爽やかな青春パンクが始まりました。
反骨さに富んだ京のパンキッシュな詩がいいですね。この曲と前作の太陽の碧はディル史上における唯二つの純粋なJ-POPです。一般受け大衆狙いといわれればそれまでですが、どちらも良質だと思います。

14.鴉-karasu- ★
ピコピコしてるギターはタッピング奏法というらしいです。ピコピコといってもデジタルぽさは微塵もなく、和を感じさせます。
でも明らかに楽器隊が、感情こめて色っぽく囁いたり猫が逃げてくようなシャウトしたりお経歌唱法するボーカルの表現力に追いついてないです。
漢字-英語-シリーズですがこれはいまいち好きになれません。

15.ピンクキラー ★★
残-ZAN-、羅刹国系のスラッシーなヴィジュアル系メタルですが、アルバム重ねる毎にポップさは薄れていってますね。
エログロ詞とシャウトで畳みかけます。
その手のジャンル好きにはたまらないであろう曲。

16.「神葬」
哀しいピアノインストで幕が下ります。

総評
ディルのアルバムで一番ヴィジュアル系色が強いです。