Angelo/Retina

5th

1.PROGRAM ★★★★★
マーチングのようなドラムに合わせて、どこか懐かしみを持った風を感じるリードギターが徐々にフェードインしてくるという小粋な演出で始まり、そこから突然空気を切り裂くように現れた轟音ギターと共に炸裂するバンドアンサンブル
一瞬にして曲の世界へと連れていかれたぜ
にしてもここまで風を感じる曲は久しぶりである。久々に聴くキリトさんの伸びのあるボーカルから今までのAngeloではついぞ聴いたことがなかったドゴドゴハードに行進するドラム
そして何よりギターだよ! 詩はひたすら前を見据え、曲自体も近未来的ともいえるサウンドなのに、イントロでも出てきたまるでPIERROT時代を追想するかのようにノスタルジックで哀愁あるリードギターに胸が染み入っちまう。この感興は文字に表すことはできない!
この爽やかっぷりは何となくPIERROTのSUPER STRING THEORYを思い出しちゃうね

2.Calvary ★★★★
Angelo加入後初の自身作曲シングルということで、元D'espaisRayの貫禄を完膚無きまでに見せつけたKaryuさんのヘヴィネスなギターが冴え渡るメロディアスな疾走ロック
特にヘヴィメタロケンローしてる感あるAメロのギターは最高!Karyu降臨☆みたいな感じの単音ギターを散りばめ、歌詞の「深い風」どころかKAMIKAZEを感じるサビはもっと最高!
最初ボーカルが激しさを押し出すためか、所々にアクセントとしていれるシャウトが年取ったお爺ちゃんの痰吐きみたいでどうも好きになれなかったけど、何回も聴いてたらようやく慣れてきた
それでもキリトさんには悪いが、シャウトとかでハードさを出そうとするボーカルスタイルならディスパの歪さんが歌ったほうがかっこいいと思ので、激しくするにしてもその独特な声と表現力で魅せて欲しかったです

3.CONVICTION ★★
重厚な縦ノリギターリフをメインに押し出してるヘヴィロック
ひたすら重く激しく行進し、それにピアノをフィーチャリングしちゃったりしてるけど、キリトさん作曲にしては毒にも薬にもならないし変にKaryuさんに触発されたようなノリの曲
でもまあ前後のKaryuさんのシングル曲を繋ぎ合わせる重大な役目を任されてるんだから仕方ないよね

4.RIP ★★★
曲名からしてキリトさんの唇をドアップで映しつつ、メンバー達がくねくね踊りながら演奏するようなPVが作られてるセクシーさを演出してみました的キモ曲なんだろと思ったお馬鹿なぼくよ。唇はRIPじゃない、LIPじゃ。(因みにRIPは「安らかに眠れ」の意)
というわけで英検5級以下の英語力により例えそんな間違った先入観を持っていたとしても、それを一瞬にして一層するゴリゴリとメタル寄りのアプローチで疾走するギターで幕を開けるヘヴィロック。
だがしかしサビに向かうにつれてそのメタルギターが引っ込んで、キレイめになっていくから残念無念キリトさんの唇を眺めてたほうが面白い

5.SANDS OF TIME ★★
所謂「静と動を使い分けた」ヘヴィロック
ちょっとだけ出てくるやたらと仰々しい劇的ゴシックなキーボードかなんかがいいスパイスになってるくらいで後は平々凡々

6.Flashback ★★★☆
カニックな金属電子音が冴えたミディアムテンポのインダストリアル風ロック。
ここでようやく一発でキリトさん作曲だとわかってしまう、ただのヘヴィなバッキングなのに何故か変態的な趣が出てしまうギターが登場してぼくは嬉しいです
PIERROTのFINALEでも見せたこの古代文明的というかオーパツ的世界観が男のロマンをくすぐってていいんだなこれが

7.Arès ★★★
ラウドではあるものの、めちゃくちゃ哀愁メロディアスなギターにピアノという超くっさくっさコンボのイントロで始まった割に、こぢんまりとした伴奏をする演奏隊
それが途中で再び勢いを取り戻してひたすら疾走。そして曲中一度だけ顔を見せる、そう、まるで雲間から差した光から教祖キリト様が舞い降りてくるかのように、輝きが満ち溢れる超美麗バラード風展開が挟まれる
こんな展開にあわせて恥ずかしげもなく、天地創造がうんたらとかカタストロフな詩を歌えるところがクリエイティブマスター・キリト感があって一部狂信的なファンを生み出す要因の一つなんだろうな

8.Script error ★★
途中まではシリアスなハードロックって感じでよかったのに、サビになると緊急事態発生!みたいな感じのヘヴィリフに合わせてキリトさんがシャウト連発しながら暴れまわる攻撃的な捨て曲に
単調とまではいかないのですが、Karyuさん作曲にしてはギターにあまり魅力を感じない
それからキリトさんそんなシャウト連発しちゃっていいんですか?比べちゃいますよ?比べちゃいますよ?
ということでエフェクトかけてごまかしてますけどディスパの歪さんと比べてしまうと月とすっぽん。というか比べなくとも、個人的にキリトさんのシャウトは上手い下手は置いといて、オラついたチンピラのような小物臭がして声質的に苦手っす

9.事象の地平線 ★★☆
PIERROTのHEAVENに入っててもおかしくない、楽園的世界観の浄化バラード
温かみのある曲調の中で所々で入ってくる電子音声も壊れていくこの世界で感があるよ
やっぱキリトさんはこういう綺麗系のボーカルで真価を発揮しますね。曲はそんな好きじゃないですけど

10.Reflect ★★★☆
「Karyuだけじゃなく俺だってメロディアスでかっこいい一般向け曲作れるんだからな!」とキリトさんの主張が聞こえてくる自身作曲の疾走ロック
この手の曲としては5分超と長めですが、それを感じさせないほど鮮やかに気持ち良く駆け抜けます
当然のことですが曲が進むにつれて盛り上がり、エモくなるサビでは「反射するぅ!」と日本語でですがタイトルコールするのがいいね!
他にも「君だけは守ろうと決めた」とかさらりとかっこいいこと言ってのけるキリト様に股間がウェット待ったなし

11.シナプス ★★★★
何故Karyu氏のサウンドメイクとギターの音色、その奏でるメロディラインは、これほどまでに冷めた現代の人々の心に訴え働きかけ、火を灯し、熱く鼓動を高鳴らせることができるのか
D'espaisRayのTRICKSTeRでほとばしった情熱の調べを今再びここで鳴らす、まさに聴者の小宇宙が燃え上がること間違いなしのメロディアスなナンバーである
それだけに、途中までギターの熱量には負けるも力強いボーカルを披露していたキリト氏は、何故ルットゥ〜ッン♪ルットゥトゥ〜ンッ♪(割と野太い声)と本人はふざけているつもりはなくとも、やはりどこかふざけた印象を与えるまっちょしぃなコーラスをラストに入れてしまったのか。非常に残念でならない
ついでにいっておくがやはり英詩シャウトもノーサンキュー
まさに白璧の微瑕である

12.Retina ★★★★
ギターの二人はアイジさんと潤さんになっちまったのかと思うくらい、 もはやキリト節というよりはPIERROT節が炸裂してるミディアムテンポのインダストリアル風変態ハードロック。加えてPIERROTよりは大分音に厚みがあり、ヘヴィネスさがあるので正当進化してます
この似非科学的というかなんちゃって理系というか、とにかく機械的なギターリフがたまらないっす! エフェクトがかかったがなり声のボーカルも曲にさらなる無機質な効果を生み出しててマジメカニカル
普通のバンドであればラストに相応しい曲とは言い難いハードでぶっ飛んだ曲なのですが、何故かしっくりきてしまうのはデビュー作をFINALEを題したり、ラストシングルでHELLOとか挨拶しちゃうひねくれ者のキリトさん系バンドならでは

総評 ★★★☆
世界観や曲がぼく個人がPIERROTで一番好きなアルバムであるHEAVENと似ているのでとても好みのアルバムでした! むしろHEAVEN聴いたときよりヘヴン状態です!
ただKaryuさんの曲はディスパでやったほうがもっとかっけーよと思えるものが多かったのも事実
そこらへんのキリト×Karyuの均衡が取れた時、Angeloはさらなるモンスターバンドと飛躍するのであろう...
既に曲が良質であることに違いはないけれど、キツく言うなら違いのわかる男の大沢たかおでなくても作曲者の判別が容易くできちゃう、それって1つのバンドとしてやってる以上どーなのよって話です
そういう意味でも1曲目のPROGRAMだけは完璧だった

baroque/ノンフィクション

2nd

1.魔女と林檎 ★★☆
9年ぶりのアルバムということでbaroqueのメインコンポーザーはこの俺だと主張したかったのか、ギターの圭さんのボーカルで始まるオープニングらしい広がりあるポップス
韓国アイドルみたいな気持ち悪いアルバムのジャケットと、先行シングルで覚悟はしてたけどやっぱりこういう路線でくるのね...
それでもこのアルバムの中ではまだロックしてる感あるしまともなほうじゃないっすかね

2.モノドラマ ★
シングル曲の記事のときにも書いたけど、baroqueが影響を与えたオサレ系バンドに逆に影響されちゃったようなキラキラポップス
ノリノリでノノン(^_-)-☆とか歌っちゃってますが、是非周りの30代のおじさんが ノノン(^_-)-☆とか歌ってる姿を想像してみてください
ぼくは10代の頃の神木きゅんの容姿でようやく許されるレベルだと思います

3.溢れるは純情 ☆
陰毛とは気づかぬうちにどこからか抜け出し、思わぬ所にその縮れた身を横たえ存在していることが多々ある。そんな溢れ出した陰毛を見つけたときのようにちょっと不愉快な印象を受ける楽曲、それがこの曲溢れるは陰毛

4.メロウホロウ ★★★
UVERworldやワンオクのリードトラックにありそうな、ちょいミクスチャーっぽさの入ったギターがかっこいいドストレート疾走ロック
そうそう一般受けならキラキラポップスよりこういう純粋に男らしい路線の楽曲で狙っていこうぜ!
ていうか調子狂うんでここまで来て中途半端にいい曲挟んでくるのやめてください!

5.湿度 ☆
シリアスなイントロでようやくモノホンのbaroqueが聞けるぜと期待したのも束の間、「今回は女性の気持ちになって歌ってみました(*^_^*)」的勘違いしたナルシスト男にありがち女性目線切なめポップス
男性のぼくでも生理前の女性の気持ち悪さが何となくわかってくるのは○

6.キズナ ★★
失踪という形でビジネス脱退してしまった万作さんに向けて作ったという設定があるEXILE風バラード
この曲一曲でして「絆」という言葉が如何に胡散臭く、ゲロ以下の臭いがプンプンするかが婉曲的にですけどしっかりと伝わってきました
「絆」ではなく「キズナ」と、どこか無機質な印象を与えるカタカナで表記したり、アルバム宣伝のCMではもうこの上なく胡散臭い人物であるのりPに歌わせてみたという点から考えてみても、やはり深読みなどではなく、表裏のある曲であることを暗に示していると思われます
「食べて応援」を提唱している方々に是非とも送ってあげたいキズナソング

7.ナカユビタテル ☆
こんな駄作を3000円払って聞かされてる購入者はさぞかし俺らに腹立てて中指立ててるんだろうなとbaroqueが予言し、それが見事に的中している予言曲

8.たとえば君と僕 ★
kannivalismのrememorariをJ-POP風に焼き直したバラード風オサレポップ
同じような曲でもアレンジと詩でここまで差が出てしまうものなのかと逆に感心してしまいました

9.ザザ降り雨 ☆
「こんな感じにしときゃ昔のファンは喜ぶべ」と鼻をほじりながら傲慢な態度で作られたであろう、ビジュのビジュたる所以を考え直したほうがいい大安売りシャッフル捨て曲

10.何千何万何億の君への想い ★
何千何万何億想っても1/3も伝わらないんだぞ?
大仰なタイトルつける前に純情な感情は空回り I love youさえ言えないでいるMy heartを少しは見習ってください

11.凛然アイデンティティ ★★★★★
歓声混じりのDJ風イントロから鼻がじーんっときちまった
復活前のbaroqueの音楽性を踏襲しつつ、それをよりポップに仕上げてみせたミクスチャーロック。
ハードな演奏に合わせて「ッラッシュバッー!アイデンテテイ!フラッシュバッボーイッ!」と聴者に促しながらも、ここにきてようやく自らがアイデンティティをフラッシュバックさせたYO-YOヒップホップパートから一転、ボーカルがひたすら前向きな詩を優しく歌う超ドキャッチーに広がるスケールのどでかいサビでこちらのテンションはダダ上がり
どこか懐かしみを感じさせるシンセギターも、 「壊れそうな涙腺紡いだよ」と歌ってるボーカルには悪いけど涙腺ブレイカ
ああ、これだよこれ、ようやく本物のbaroqueが帰ってきたよ
おかえり、baroque。ほんとうに、ほんとうに、ほんとうにおかえり。

12.teeny-tiny star ★
そしてそんなぼくの暖かい出迎えを犬の糞でも踏んだ汚ねえ靴で踏みにじり去って行くような、箸にも棒にもかからないキラキラクリスマス風ぽっぷす
サンタクロースだって土足で侵入してくるけどプレゼントくらいは置いてくぞ
せめて前の曲で終わってくれれば、終わりよければ全てよしとはいかないまでも多少は気持ち良く終われたのに

総評 ★
内容、ジャケ写から売り方まで全てがことごとく酷い
baroque&kannivalismは一度名盤を出した後に超駄作を出さなければいけないという制約と誓約でもあるのか
同じ値段なら川越シェフの店で水を4杯おかわりしたほうがまだ喉が潤う分幸せになれると思います

the GazettE/STACKED RUBBISH

3rd

1.ART DRAWN BY VOMIT
どぎついお香を焚いた古着屋でかかってそうなヒップホップSE

2.AGONY ★★★★
ボーカルのYO-YOと激しいスクラッチ、ヘヴィネスなギターリフから始まる、これまでのガゼット、いやヴィジュアル系とはひと味違うぜを見せつけたヴィジュアル系DQNヒップホップ
ヒップホップ自体はbaroqueが先にやってたけど、こっちはナルナルネチネチボーカル、メタルチックなギター、とガチヴィジュアル系を融合させてるからガゼリティあるよ
本格派を愛する怖い方からは「こんなんカマくせえ!偽物だ!ごっこだ!」と怒られるかもしれませんが、このあくまでインドア系が無理やりやってるような強面オラつきっぷりがいいんですよ
ヒョロヒョロ文化系のぼくもちょい不良ぶってみたいときに聴きたくなります
その一方でペルソナ3の戦闘曲にでもなりそうなオサレさもあるからタマンネェYO!パネェ!

3.HYENA ★★★★
ヴォイヴォイ→クリーンのディルが完全に確立しきった黄金比を忠実に守った王道ナンバー
でもメタルコア系ではなく普通の疾走ロックだし、ヴォイヴォイがラップ調だったり、サウンドの要所にヒップホップ要素を散らしてるあたりやっぱりガゼリティあるよ
そしてここで長くなりますが告白させてください
今でこそぼくはヴィジュアル系に入れ込むきっかけを周りには
「え?そりゃもちろんLUNA SEAのSTYLEだよ。ん?曲?いや俺音楽は曲単位じゃなくてアルバムで一つの作品として判断してるからね。で、話は戻るけどもちろんMOTHERも名盤だけどさ、俺はあえてSTYLEを推す。まずあのポピュラーに見せかけたアンポピュラーが云々云々...」
と吹聴してますが、白状すると本当はこのガゼットのHyenaです
当時クラスで流行ってた修二と彰Aqua Timezを聴いてた平和な僕に「は?何この曲?早いッ!速いッ!やべェ!やべえェ!何このギャーーーって叫ぶの?シャウトっていうの?ヴォイヴォイしてる!地元じゃ負ける気がしねェ!これがデスメタルか!でかした!」とHyenaは聴覚を駆け抜けて大脳皮質に入り込み噛みつき荒らしたのである
さらにメンバーの画像を見てそのヴィジュアルに圧倒され、次の日ぼくは髪を逆立て母親の化粧バッグから取り出したものを適当に顔に塗りたくり、鼻に布を巻いて学校へ向かったのであった......(この物語はフィクションではありません)
さらにその後ガゼットがネットでパクリ!パクリ!と騒がれてるのを知り、彼らからもらった感動と興奮をなかったことにして元ネタであるというディルのアルバムを買いに走り、挙げ句の果てに同調してガゼットはパクリ!糞!とアグレッシブなネットの民と一緒になって叩いた後日談はなかったことにしておいて欲しいけど、この場を借りて謝罪すると共に自分の好きなものには嘘をつかないことが大事だと反省します
しかしそんな思い出と共に今聞き返してみると何か微妙なんすよね
当時はボーカルばっか聴いて楽器隊なんてほとんど耳に入ってない純J-POP愛好者だったせいもあるのかもしれませんが、それでももっとかっこよかった記憶がある
リフはこんな生ぬるい重さじゃなくてもっと重厚でソリッドだった気もするし、デスパートのボーカルはもっと凶悪、クリーンもナヨナヨせずもっとデスとの対比が映えて美しかったような...思い出補正って恐ろしい
でもイントロとラストの福士蒼汰の笑顔並みに爽やかなギターが入ってラップ調で現音楽シーンを罵るところは今聴いても最高にCOOL。超巨大オマエガイウナーブーメラン投げてる気もするけどね

4.BURIAL APPLICANT ★
PVありのリードトラック
申し訳程度にヒップホップ要素を入れようとしたのかイントロだけターンテーブルが入ってるけど、後はディルのOBSCUREから和と禍々しさを抜き、大分スケールダウンさせたような中途半端に綺麗になったり激しくなったりするナンバー
に加えて歌詞カードに、このPVはヤヴァいですが犯罪をなくすための意識が込められてるだかなんだか書かれたチラシが入っていたので、どんなもんかと全裸待機したのですが全く大したことなくて肩すかしをくらった
これもOBSCUREのPVくらいぶっ壊れてなきゃクレームなんてこないから安心していいと思うよ

5.ガンジスに紅い薔薇 ★★☆
シャッフルリズムのガンジスのように乾いた感じのロカビリー調ロックに、紅い薔薇の如く刺があり美しいボーカルという中々タイトルに忠実な曲
しかし美人は三日で飽きるというように、この一本の薔薇にも三分で聴き飽きてしまう
ぼくは美人のほうは三日では飽きないので橋本千年さんみたいな方がいましたらどうかお付き合いお願いします

6.REGRET ★★★★
金八先生ガゼットファンの生徒が登場したときに使われた挿入歌
武田鉄矢ガチアンチのぼくは金八先生を一度も見たことないので詳しくは知らないけど、ガゼットはあまり良い描写をされなかったらしく、ファンのバンギャル達が激おこプンプンでHPや出演者のブログに突撃したとかしないとかいう曰く付きの曲
曲自体はクランチの効いたギターと、吐き捨てるようにクールに歌いながらもどこかノリのいいボーカルがイカしたきゃわいたきゃぜをきゃらませあなたを連れていきたくなるガレージ風疾走ナンバー
ギターソロもかっこいいですが、それ以上にその後のもうどうにでもなりやがれ感があるヤケクソパンキッシュなボーカルがかっこいい

7.CALM ENVY ★
女性コーラスがあざとい泣きメロバラード
ガゼットの売れ線系バラードに関しては、これは昔からぼくの琴線に触れるものはないので下手に糞味噌にけなすよりはノーコメントで通しておきますが、Cassisとか好きな人なら気に入るんじゃないっすか(鼻くそほじくりながら

8.SWALLOWTAIL ON THE DEATH VALLEY ★★
賑やかな女性コーラス&軽快なギターのバッキングでひたすらノリのいいドライヴ感のあるロック
ボーカルも声質はともかくいつになく陽気
このアメリカンな雰囲気が最初はいいけどギターソロが終わったあたりから飽きてくる

9.MOB 136 BARS ★
一辺倒なヘヴィリフ&シャウトデスヴォイスで叫び倒すデスメタル風のヴィジュアル系王道捨て曲
こういう曲にこそ中途半端でいいからヒップホップやR&Bの要素入れてくださいよ

10.GENTLE LIE ★★★☆
ボサノヴァまでとは言わないけど落ち着いたブルージーな一本のギターが入るだけでここまでアダルトでオシャンティーな雰囲気になるのか
ギターの主張が静かなのでその分ベースラインも際立ってて、影ながら屋台骨を支えるそのいぶし銀な仕事に気づき、ついカフェでコーヒーを啜りながら鼻に布巻いて聴き入りたくなりますね
これが大人のガゼット

11.FILTH IN THE BEAUTY ★★★★★
地味に前の曲からの流れがいい
女性ボーカルのハウス風シャレオツの導入部からヘヴィネスなギターが炸裂すると共に、ガゼットヴィジュアル系R&Bの始まりだ!
キレイめR&Bパート→男らしいコーラスとヘヴィなリフをバックにホンニャカコンニャカするヒップホップBパート→純粋ヘヴィネスヴィジュアル系Cパート→そしてより激しさを増すサビ
このサビなんですが、ボーカルがデス声とヒップホッパーのYo-Yoを何とか融合させようと頑張ってるのがよくわかり、ちょい稚拙な感じもするけどその努力を称えよう。これぞガゼリティだよ
アルバムの後半でやたら多用してる女性コーラスもあまり好きじゃないけど、この曲に限ってはマジ最高のスパイス
常にパクリパクリ騒がれてる彼らだけどこういう曲はガゼット創始者だよね......よね?

12.CIRCLE OF SWINDLER ★★★
マイケミカルロマンスチックなダークメロコアナンバー
日本人英語ならぬヴィジュアル系英語で唄う英詩がナヨダサかっこいいちゃかっこいいけど、このボーカルって英詩を歌うとなんか一気にキッズロックっぽくなるというか、小便臭くなるんだよねえ
色んな意味で日本語でおk

13.千鶴 ★
ミディアムテンポのパワーバラード
ひたすら鈍重ダウナーで聴いてると気が沈んでくる楽器隊の演奏を背にしてる割に、ボーカルは普通の売れ線バラードを歌う際と同じようにナルシスティックかつわかりやすい哀愁を込めて歌いあげてます
PVあるし映画のタイアップだったらしいしで、ガゼットを知らない一般の方にもちょっち迎合しようとでもしたのかしら
演奏も気が沈んでくると書いたけど重いだけでただただ単調だし、これなら前作のヴィジュアル系お得意デスパート→クリーンなサビの手法を見事にバラードに取り入れ仕上げてた「体温」のほうがよっぽどかっこよかった
だからこういう曲にこそヒップホップやR&B要素を入れてくれよ

14.PEOPLE ERROR
あれほどYO-YO言わせてたくせに最後は普通のピアノで綺麗に終わるんかい

総評 ★★★
色々と叩かれながらも今やヴィジュアル系界のトップへと躍進したガゼットの3rdアルバム
NIL路線の曲を完全に排除してとまではいいませんが、それらを踏襲しつつもっとYO-YOして欲しかったです
個人的にガゼットがオリジナリティを示し始めたのはこのアルバム、つまりこのアルバムこそが真の1stだと思いますね(キリッ
近年のアルバムは酷いことになってるみたいですけど......

LIPHLICH/フルコースは逆さから

2nd

1.街へ出よう(Instrumental)
街に出るどころかレストランと思われしところで食器の音が響いてる導入部

2.飽聴のデリカテッセン ★★
レトロでポップなポジパンナンバー
オールディーなパイプオルガンのおかげでデリカテッセン(飲食店)というよりは胡散臭い見世物小屋的雰囲気
食器のかち合う音をアクセントに使ったり細かいところで小粋ですね
このオレサマオマエマルカジリみたいなちょいコミカルメガテン風空気感がたまらん! でも早々に飽聴してしまいました

3.ヘンピッグ ★★★
スラッシュメタル風ドライヴ感あるギターメインで疾走していくノリノリぁげ↑ぁげ↑疾走パンク
こういう曲だけ聴いたらこのバンドとは相容れなさそうなサウンドの曲でも、毒々しくねちっこい声質のボーカル&コンセプトのしっかりした詩が乗るだけで独特ゴシックな雰囲気になるのが凄い!

4.慰めにBET ★★★
この手のバンドは何曲かやるだろうなと思ってたけどやっぱり期待を裏切らない軽快かつ怪しげなジャズポップ
タンゴっぽくて踊れるLIPHLICH、これはいいものだ
音質のチープさのおかげか、白黒テレビを通したようなモノトーンと古ぼけた映像を見てるような印象を受ける
その画面の中にはもってけセーラー服をノリノリで踊るLIPHLICHのメンバー姿が

5.VESSEL-Album Ver.- ★★★
廃聖堂風ゴシックシンセが冴え渡るLIPHLICH流歌謡ロック
リードギターもストレートで確かにかっこいいんだけど、素人耳にも何だか「初心者ギター教本・ステップ5〜ロックなギターを弾いてみよう〜」的本に載ってそうなフレーズで微妙
それでもこのストレートなキャッチーさにJ-POP耳のぼくは痺れちまったよ
艶っぽく儚げなボーカルを際立たせるためかAメロでは後ろに引っ込みがちの他の楽器隊達が、曲が進むにつれ前に出てきてサビでアンサンブルが爆発する構成もありがちな感じだけど最強!
王道、王道、オーケー、王道

6.大計画 ★★☆
超スロー&ダークでデカダンな荘厳ゴシックバラード
ヴィジュアル系のこういう曲はダレて飛ばすと相場が決まっとるのですが、銀●や黒子のバ●ケのキャラクターでカップリングを組んで興奮した状態における腐女子の女性器のようにねっちょねっちょなボーカルのムーディーな歌唱で見事に最後まで聴かせてくる
で、せっかくそんな稀有な曲なのに「これじゃああまりに地味すぎるか...」と思い装飾したのかアラジン風ラッビリーンスな単調ピアノが入ってくるのですがこれマジ蛇足!無駄!鬼!悪魔!人でなし!

7.マズロウマンション ★★★★
1曲目よろしくマンションというよりは洋館なイメージのゴシック&オカルティックシャッフルポップス
これは少しはビジュのビジュたる所以を考え直した大安売りでないシャフルリズムだわ
正にリフリッチ・ホラー・ショー
マズローの欲求階層説をマンションになぞらえたという詩もインテリな感じでイイネ!{3
視聴者はいきなり承認や自我の欲求に渇望する人間が住む四階に案内されるので、ぼくのような自尊心の強い糞ブロガーや自己主張大好きなツイッタラーや意識高いフェイスブッカー達はドキッとするはず。でも特に批判はされないのでホッ...
あとはピリリとした遠まわしな皮肉で他の階の住人を描写していく...そんな曲の雰囲気や詩がアヤビエのゴシックパーティーSSを彷彿とさせてくれてマジ感動
アヤビエであの曲大好きだったけど同じような曲は一回きりで二度とやってくれなかったからね
強いてケチをつけるなら曲中で執事の爺や演ずるボーカルが下手くそなのでふざけてる印象を受けるくらい

8.月を食べたらおやすみよ-Album Ver.- ★★★
ポケモンニャースの歌をゴシックかつ食人主義的に仕上げた感じのアコースティック哀愁バラード
冷めた感じのアコギのリフレインと歪んだギター&ベースのコントラストが素晴らしい
ボーカルの淑やかな部分とエモーショなる部分のメリハリもついててつい聴きいっちゃう
ボーカルのグッウナイアイハロディュマイルーミナスのコーラスで寂しげにゆっくりとフェードアウトしていくラストとかベタすぎるけど王道の言葉で片づけとく

9.Fiddle-De-Dee ★★★☆
ディスコサウンドの歌謡エレポップ
いい意味で2010年代の曲には聞こえない音質とオールディーなサウンドソフトバレエとかあの世代の曲と言われても違和感ないぞ
珍しく胡散臭い英詩を歌い出したボーカルも、曲の胡散臭い感じを助長しててマッチしてる...と思って歌詞カード見たらこれ日本語を英語風発音で歌ってるだけじゃねーか!こりゃ一本とられたわい!

10.ミズルミナス-Album Ver.- ★★
メンヘラ娼婦を主人公にした詩がそれほど印象的でもない、初期シドとかヴィドールあたりが得意分野としてそうな歌謡曲
8曲目と姉妹曲らしい
強いて良いところをあげるなら安易に狂気演出で激しくしたりせずに、淡白としながらも内に激情を抱いた嘆きの感じを上手く愁訴してくるボーカルと割と落ち着いた哀愁レトロな演奏とで魅せてくれるところ
ベースのソロも下手なギターソロよりかっこいいし...あれ?こうやって羅列していくといいとこ尽くめのはずなのになぜかイマイチな曲

11.ジョン&ジェーン・ドゥ★★★☆
冷たく浮遊感のあるホラーゴシックシンセと、他の楽器より前に出てきてスラッププレイをドヤドヤ披露するベースのコンビネーションがマッチして上手く不穏でガチホラーな空気を演出してるゴシックロック
前の曲もそうだけどやっぱLIPHLICHはさぁ〜、ベース。ベースがかっこいいよね(業界人風に)
だから無駄にド派手なギターソロよりベースソロを入れて欲しかったよ

12.MANIC PIXIE ★★★
怪しいミュージカルみたいに始まったかと思えば馬のいななきを合図に雰囲気そのままで疾走するポジパンナンバー
こういうナイトメアビフォアクリスマス的ディズニーチックな曲をやらせれば、というかやってるバンドも少ないと思うので右に出るバンドはなかなかいないと思うよ
色々挿入されてるゴシックな演出はいいけど曲がイチイマ

13.主人の楽園  ★★★
ラストに相応しく浄化されていきそうなゴシックバラード
ギターはときたま泣きのメロディを奏でるくらいでボーカルと一緒に曲を支配してるベースラインが気持ちいい
途中激しい演奏とボーカルが入ってくるあたりプログレチックにしたかったんだろうけど良くも悪くもあまり静と動は感じませんでした

14.シークレットトラック 
こぢんまりした行進曲風
このスケールの小ささがマジエンドロールしてていい〆になってる
ちなみに歌詞カードは13曲目から1曲目という真っ逆さまな曲順で記載されてたので、それに従い後ろから聴いてみたのですが、見事にこの曲がイントロダクションみたいな感じになってヤバい!曲順逆でもかっこいい!また別のストーリーが見えてくる!すげえギミック!ってなことはありませんでした

総評 ★★★☆
ブレたりせずに自らのコンセプトである「ゴシック&エキサイティング」をとことん貫いてるところが、やってる楽曲は違えど現代版マリスミゼルなイメージ
きっとメンバーには鶏肉しか食べないみたいな設定とかあるんでしょうね
つべで一曲試聴して気に入ったら、あとは全部同じような雰囲気の曲が揃ってるのでまず外れってことはないと思います
ガツンと来るキラーチューンはないけど全曲高水準で捨て曲駄曲らしい曲もない
ということで割と名盤なんですけど、品薄商法してるのかこのアルバムに限らずやたらCDが早く売り切れるのがネック

DIAURA/Triangle

3rd

1. Triangle Vision
別にトライアングル感はない次の曲に繋がるクラシカルSE

2. ID ★★
ちょっぴりサイケデリックかつダークな音使いのリフで幕を開け、それが耳に残るミディアムテンポのロックナンバー
ダンサンブルなバッキングにあわせて控えめ短めながらもやはりサイケにピロピロいわせてるギターソロもかっこいい
でもノーノーイミーテーション連呼するAメロと、実質1曲目ということなので無理やりリード曲にしようとしたのか変に盛り上がるサビのボーカルが好きじゃない
曲はいいけど歌が微妙でこれじゃあ曲名は「I まいちな D iaura」

3. Menace ★★
いい意味で気持ちの悪くて不気味ホラーに主張するベースで始まったのでマニアックな変態曲を期待したけど、蓋を開けてみればそうでもない中途半端にキャッチーなロック
キャッチーなのは好きなのでそれは別にいいですし、前の曲に引き続いてちょいサイケな音色でリードしていくギターは楽曲に独自の色を添えてて中毒性あるし、ボーカルもウェイカッ!ウェイクカップメナース連呼するところ以外は緊張感あってかっこいい
なのにサビに入るとストリングスもどきが入って無駄に壮大感アップ&きれいめになる。それが糞とまでは言わないがうんこ。
え?これシングル曲なの?

4. モラトリアム ★★★
え?これシングル曲じゃないの?ってくらいドキャッチーな王道ヴィジュアル系ロック
サビの「モオラトリァムゥ!(ドヤアアアア モウカコニナルゥ!(ドヤヤヤヤヤヤアアアアアアア」と韻を踏んでかっこつけたボーカルは悔しいけど確かにかっこいい
まさに様式美。王道、これが王道だよ
因みに初回版Bはこの曲と、もう一曲このアルバムに収録されてない曲のPVが付属するだけで2000円ちかく値段があがります。つまりこのモラトリアムという曲は映像込みとはいえ1曲で1000円の価値があるとメンバー達は判断したわけです
僕は380円くらいだと思うし、その自信過剰は今後メンバー達の首を絞めることになると思うのでここは心を鬼にして★-1

5. 新世界 ★★☆
別にパンキッシュというわけではないけどツタツタしたギターが印象的なアップテンポの疾走ナンバー
エスモーメンエスモーメンエスオーエスの2、3曲目を彷彿とさせるちょっとダサい謎の英詩連呼のAメロ、緊迫した雰囲気になりV系名物カウントダウンもどきからの決めセリフが見事に決まってるBメロ、と耳を休める暇もないほどボーカル色んな要素で畳みかけてきますがどちらも正直好きじゃない
ドラムもツタツタになって疾走感アップするサビはボーカルも特に捻らずキャッチーでいいんだけど前の曲と比べると王道と呼ぶにはあまり爽快感ないし...まあザ・普通
個人的に最初のほうの「イグゥゥゥ!」みたいな感じで歌われる「踊ろぉう!」がツボなので☆+1

6. Hypnosis ★
ボーカルが妖しさ&セクシーを演出してみました的ミディアムテンポの駄曲
でもやはりサビはそこそこキャッチーになる謎の安定感
何かメリーの暗闇にピンクに似てるような気もするけどこっちのほうがスタイリッシュだからいいと思うよ

7. Case of Massmurder ★★
ニュースの演出で始まるあたりがPIERROTってるけど始まればダラダラとスローでダークな初期Dir en greyヴィジュアル系ブラックバラード捨て曲に
アクセントに使われるボーカルの自慰行為的喘ぎ声がとにかくキモい
なのにサビではテンポチェンジ、がらりと曲調が変わっておそらくこのアルバム1爽快感あるくっそキャッチーすぎるサビに...
もう今のところ全曲サビでキャッチーになるので我ながらキャッチーキャッチー言い過ぎてキャッチーキャッチーしてくるのでキャキャッチキキャッチイイイイイイイ!!!!!

8. Silent Majority ★★★☆
シングル曲。だけどあまりとっつきやすさは感じないミディアムテンポのロック
プラエネ期PIERROTみたいなやかましい感じのサイバーなリフでアングレッシブに攻めつつ、 シャウトの掛け声を混じえたり粋なピロピロタッピング入れてきたりとメタル成分も濃いところが好き
あと今までと違ってナチュラルに入るサビの「空は焼かれ 風は汚れ」と愚かな人間共の救いようのなさを諦念感たっぷりで歌うボーカル&詩の終末感もバンドのコンセプトとあってて好き(このバンド、ファンのことを愚民と呼ぶらしい)
というわけでPIERROTのENEMYとかFREAKSとか好きな人は気に入るのではないでしょうか
ぼくはあそこまでブチ切れないでどことなく洗練感のあるsilent majorityのほうが好きだよ

9. アリア ★★★
切なさMaxの王道ヴィジュアル系ロディアス歌謡
ボーカルと泣きのリードギターの絡みとか、女々しい男の恋人喪失的詩とか教科書通りの王道で文句のつけようがないです

10. 解離 ★★☆
ヴィジュアル系の漢字二字の曲は名曲臭がするものの名曲でないことが多いという法則があるのですが(当ブログ調べ)、この曲もご多分に洩れず微妙なロックバラード
仰々しく荘厳な聖堂風シンセで神聖さを出しつつ息苦しい雰囲気からハードな展開挟んでからのエモーショナルなサビ!とかパッ聴き名曲なんだけどね
でも聞き込めば本当に名曲になりそう臭もあるのでもっと聞きこみたいと思います!(CDプレーヤーからこのアルバム取り出してごちうさのキャラソン集入れながら)

11. ホライゾン ★★★★
シングル曲にして本作のハイライト
9曲目にパンキッシュな要素を足してDIAURA流に仕上げたロードオブヴィジュアル系ロディックハード歌謡曲
Aメロの途中から入ってきて、ぴろろろーとリードするギターのベッタベタなかっこよさにあ゛ぁ゛〜〜心がぴろぴろするんじゃぁ゛〜〜
タイトルがホライズンじゃなくてホライゾンなのがちょっと気に入らないけどそんな不満をぶっ飛ばす曲調
民共を振り切りただ1人の無垢な少女の手を引っ張り未だ見えぬホライゾンまでひたすら駆け抜けていく...うむ、ボーカルも楽器隊もまさにそんな疾走感だ

12. 自壊 ★★★★☆
ピアノの上で寂しく歌うボーカルにあーはいはいラストにふさわしいお涙頂戴バラードね。わかってるわかってる。わかってるからとっとと終わろうぜ
と投げやりになってたところに突然クラシカルSE&重厚メタリックな縦ノリギターリフ、そして前曲よろしくいきおい猛に爆走開始!こんなん濡れてまうやろ!
ジーザスコイッスキミフォーヘイッ! と、このボーカルお得意のちょいダサ英詩連呼も出てくるのですが、こちらはヘイッ!の部分が中々重要で、熱さを出してるためか2〜5曲目と違いクールかつ男臭さがあってダサさなんて一ミリもなくはないけど一ミリ程度なら別にいいでしょう
前の曲より歌謡臭さがとれてメタル度アップしてたり、ゴシックさがあったり、互いに茶毒し合う愚民共へ呆れの語りが入ってたりDIAURA色をさらに濃く前面に押し出してて(DIAURAはこのアルバムしか聴いたことないけど) 、ラストに相応しい
ヴィジュアル系の漢字二字の曲だけど本当に名曲だった。
DIAURA史で名曲として長く語り継がれるアンセムソングとなるでしょう

総評 ★★★
今のヴィジュアル系シーンでメジブレイというバンドと共に人気を席巻していると噂のDIAURAがフルアルバムを2000円という超良心価格でリリース!ということで早速(1年経ってから)ポチってみた
それほど期待してなかった通り、価格相応で2000円ならそこそこ満足できるクオリティ
2ndと廃盤の1stまで買おうという気は起きなかったけど今月発売される2枚組ベストは楽しみに待ってます

Develop one's faculties/reincarnation

1st

1.「 」
ボーカルが我々にリンカネーションを促す洒落た導入部

2.insert memory ★★★★★
変拍子の乾いたオルタナチックなギターで始まったかと思うとそこに派手な轟音ギターも加わり、後はひたすら加速していく疾走ロック
サビになるとそれまでのギターロック感がなくなり、勢いそのままで卒然と東京ラブストーリー的どこか都会的なシャレオツさと憂いを感じさせるサウンド
ハイトーンのボーカルも被って来てマジ美麗
ここまであまりに聴く前の期待値を上回っていたので口を間抜けにポカンとあけてると思わずファッ!?とする、オシャンティーな雰囲気を見事にぶち壊す男臭い語り...いや叫びが
ラストは「俺達が前向かないでどうするんだよおおおおおお!!!!!」と野々村議員には及ばないものの鬼気迫る説教を挟んでキメる
この部分は好き嫌い分かれそうだけど俺のハートには熱いものが届いたぜ!
あっという間の四分弱!ごっつぁんでした!

3.フラスコを振ると天秤揺れた(album ver.) ★★★★
シングル曲
カッティング交えた暗く乾いたオルタナギターに、不穏な化学的ピコピコシンセが乗ったアップテンポ気味のロック
化学成分がなくなり、ちょいパッとしない90'sコテオサインディーズヴィジュアル系のリードトラックみたいなどこかオールディーなサビメロがツボ
最初つべでこの曲試聴したときは、ボーカルの声質と曲があってねーな、 タイトルもなんか奇を衒ってる感あって気に食わねえペッペッ、と唾を吐いたものだけど、アルバムで聴いたら別にそんなことはないしいつの間にか不思議な中毒性にやられていた

4.hope(album ver.) ★★★★☆
シングル曲
疾走ギターロックに煌びやかなピコピコ電子音が水際立つ...これは最早ヴィジュアル系サカナクション!(サカナクションMステでしか聴いたことないけど!)
サビのクラシカルな歌メロや後半の語りからのシャウト連発パートあたりなんかはしっかりヴィジュアル系もやっててグッド
darkなメロディながらもhopeにむかって手をのばすギャップある詩はベリーグッド
前の曲がメガ進化したような感じですね

5.REAL= ★★★
曲調がガラリと変わって、自分がヴィジュアル系であることを忘れたのか酔っ払ったおっさんみたいな歌い方をするボーカルがちょい攻撃的な説教詩を歌うメリー風レトロック
いやボーカルの声質もあいまってメリーというよりは知る人ぞ知るkyokuto girl friendを思いだす
ギターもアルコール入ってそうな音色
こんな曲までやれるなんて色んな引き出しがあるdevelop one's facultiesマジスゲエ!(ぶっちゃけこの曲だけ浮き気味であんまり好きじゃないけどどうしても名盤扱いしたいから★+1しとくか)

6.ettad ★★★
諦念感のある何だかやるせないミディアムテンポのバラード
ちょい白系っぽいってくらいで、あとは無難すぎて何も言葉が浮かんでこねえ
友達とカラオケにいったときに「あー知らないけど何かいい曲歌ってるなあ」っていうあの感じっすね
でもバラードは聞き込むと急に滅茶苦茶いい曲に聞こえてくることも多いのでまだだ...まだわからんよ

7.ネガティブベイビー ★★★☆
パイプオルガン風の音+ジャジーなピアノ+グルーヴ感たっぷりのせわしないベースと、クリスマスが似合いそうな瀟洒な高速シャッフルポップナンバー
曲だけならイオンのクリスマスケーキのタイアップにでも採用されてそうだぞ
んでそんな曲に乗せてボーカルがネガティブに生きるベイビー達を励ましてくれる応援歌
後半にはネガティブな僕らの気持ちを代弁してくれてるボーカルのコミカルなぼやきが入ってますがこれはぶっちゃけコメディチックになりすぎるのでイランセル☆-1。
さらにラストにみんなの視線をいただきまゆゆ♪なんてレベルじゃないぶりっ子声で「この歌があなたに届きますように(ハート)」
確かに共感できるし届いたけどさー
ていうかこのバンドがどんな方向に向かってるのかまだ把握しかねる

8.瞬間的衝動の果てに失った瞬間 ★★★★☆
ボーカルの訳の分からない叫びから入る変則的で先の展開がまったく読めないカオスティックな超アップテンポのパンク...かな?
賑やかにパーティーポップしてるかと思えば、気が滅入りそうな退廃的ゴシックピアノが入ってクラシカルになったり...
よくわからないけどアヤビエとか涼平さん関連のバンドがやってそうな曲ですね
友利奈緒ちゃんに言わせるならdevelop one's facultiesは「ルォックじゃねえ!ポストルォッグだ!」
そしてその目まぐるしいサウンドに隠れがちで訳のわからない叫びとか言っちゃったけど滅茶苦茶いいこと歌ってるじゃないですか
「生きても死んでもかわらないのなら 生きたくなるまで生きればいい」「その瞬間を嘆いた後のお前の心は殻だ でもそうやって人は歩むんだ はっきょいのこったって踏ん張りな」とか前の曲のネガティヴとさらに対峙するのが泣ける

9.残念な唄 ★★★
超高速精密スラッププレイが最高にイカしたファストなテンポでファスト(2分)に終わるジャジーなナンバー
ジャジーといっても、もうヤケクソといっていいように弾き倒される演奏が最高にむさ苦しくて熱いぜ!
それに乗せてどこか冷めた感じのボーカルが淡々と我々にアイデンティティの確立を暗に促してきますがこの温度の差がいい

10.it is what it is. ★★★★
ここでいきなりディストーションしたハードロック調のギターリフの嵐で始まり、ボーカルが入ると同時に洪水の如くのバンドアンサンブル!爆走メロコアスクリーモで一気に畳みかけるぜ!
シャウトやボーカルはさすがにlynchあたりと比べちゃうとしょぼいけど全体としては彼らのリードトラックにもひけをとらないと思うぞ
ノイジーな電子音声を被せたギターソロもかっこいいしこの路線でいっても非凡な名盤ができそう

11.for ★★★☆
優しく暖かみのある疾走泣きメロディアスなナンバー
シングル曲よりよっぽどシングルしてます
今まで一風変わった楽曲ばっかだったのに、ラストでこんなボーカルも楽器隊もドストレートなラブソングをぶつけてくるのがズルい!もうグッときちまうぜ!!最高!!!、と声を大にして叫びたいところだけど個人的に100万人のために作られたラブソングなんかに僕は簡単に心を動かされたりしないので4、7〜9曲目みたいな詩でやって欲しかった

総評 ★★★★☆
元cocklobinの2人がバンド始めたってよ。と聞いて、えーつってもボーカルとギターのメインの2人じゃなくて解散前に加入した影の薄い2人だろ?...まお安いしお布施するつもりで買ってみっかとAmazonでポチったら・・・単に僕の好みにドストライクなだけだったのかもしれませんがとんでもないアルバムでしたごめんなさい
よく「ジャンルにとらわれない(キリッ」 という売り文句をよく目にするけど本当にジャンルにとらわれないバンドを初めて聴いた
それでいて統一感バラバラなんてことはないし、捨て曲らしい曲はゼロだし、マジヴィジュアル系の横紙を破る新星です
楽器隊を耳で追いかけたくなるのもこのジャンルでは久々
ついそのド派手でかっくいいサウンドに耳が行っちゃうけど、色々前向きでヴィジュアル系を好む層であろうネガティブベイビー達を叱咤激励してくれる詩もいい
アルバムの値段も2000円とディアゴスティーニの創刊号並のコスパなのもゴッド。
2nd、2ndをはやくもってきて!

OZ/COMPLETE BEST ALBUM DISC4

1.Reverse ★★★
11thシングル
ここにきて電子音を取り入れたインダストリアル風メタル。
最初はへッ!ネタ切れ臭プンプンだね!と思うも、これが案外ハマってます。
特にデスヴォイスとシャウトの雄叫び&ヘヴィリフで一気に爆発するエモーショナルなサビ部分。これと後ろで冷たくクールに鳴り続けるシンセとのコントラストがかなりいい味出してます!
それから他のメンバーのデス声コーラスも、曲を熱くするのに一役買っててオッケー。

2.Unseal ★★★
11thシングルc/w
悲壮感のあるクラシカルなメロ、かつヘヴィなリフが前に押し出されたラウドロック
ボーカルはデスヴォイスしないと死んでしまう病がようやく完治したらしく、普段ならアクセントでアンギャー、ヴォ゛ォ゛ォ゛イ゛といきそうなところもノーシャウト、ノーデスヴォイス。普通にクリーンで感情表現しててスキルアップが窺えます。
ギターソロもキマッてるしこれは結構な佳作。
しかし、引き続きインダストリアルな風味がちょっぴりリズム隊にあるような気がするんですが、前の曲では新しい風をもたらしていたのに、この曲では楽曲をいたずらに小綺麗にしてて逆に羈絆となってるような。

3.Ecdysis ★★
なんだかシンフォニックメタル風のバラード。ボーカルは北欧メタルのバラードよろしくハイトーンで声張り上げてます。
楽器隊もボーカルに合わせた演奏してていいんですけど、本家に比べると見劣りしちゃうし、もうちょいヴィジュアル系らしさが欲しい。

4.STIGMA ★★★☆
12thシングル
サイケデリックなイントロからシングルらしからぬ捨て曲臭、だがそれは最初だけ。
曲自体はOZお得意のサビでキャッチー曲なのですが・・・、うむ、これは進化したぞ。 主にギターが。
Aメロではボーカルに呼応するかのようにピロピロとリードしてみせ、Bメロは地味ながらもツインギターがセクシーに絡まり合うフレーズを奏で、そしてサビでは今まで押さえ気味だったボーカルと共に超キャッチーに爆発だ!
今までのこのタイプの曲のAメロ・Bメロは、デスヴォイスとつまらんヘヴィリフでヴォイヴォイゴリゴリするラウドV系お定まりタイプでしたが、この「STIGMA」・・・、一味も二味も違い
を見せつけてくれるぜ!
他には技術より退廃的雰囲気を重視したかすれ気味のギターソロがいい!
ギターのプレイを大いに魅せながら徐々にフェードアウトしていくアウトロもいい!

5.Trusty ★★★
12thシングルc/w
ストレートに疾走するラウドロックですが、ボーカルの歌い方の幅がひろがって新鮮です。
なんだか捨て鉢で男気を感じるパンキッシュな叫びを見せるAメロとサビ。Bメロのお得意デスヴォイスパート。もちろんV系特有ナルボイスも入ってるし盛りだくさん!
そろそろ昔の曲を再録して欲しいけど、・・・そうだ、もうOZはいないんだったな・・・。部屋ががらんとしちゃったよ。

6.Blast ★★☆
ミディアムテンポのデスメタル
ようやくこの手のデスメタナンバーも進化して来ましたね。苦手なジャンルなことには変わりませんが、そんなぼくにも聞き分けがつくように。
ギターはちょっと退屈だけど、ベースがテクニカルにドヤっと顔出すAメロ、メンバーのパワフルなコーラスとの掛け合いでいつもより余計に凶悪なサビ、かっけーよ。

7.Flash back ★
凶悪な早口デスヴォイスで思いっきりデスメタルした後、不気味な女性コーラスでゴシックな雰囲気に。
とにかく洋楽もどきでいくのかと思えば、今度はサビで「蛍火ひと〜つぅ〜」だの「彼岸花は〜」だの詩もメロも木に竹をついだようにジャパニーズに。
和洋が反発し合ったイマイチな曲。シチューと白いご飯は合わない。

8.eve.
ここから13まで2ndミニアルバム「crunk」
アルバムを出せた喜びを素直にイ゛エ゛ーイ゛と表現し、音圧がパワーアップしたことを見せつける導入部。

9.Succubus ★★★☆
PVありリードトラック。
前作のPVありリードトラックではちょっと大衆に媚びた感がありましたが、今回はもう無手勝流にぶっ飛ばし叫びまくったラウドロック。それでいてキャッチーさはあるし、それが不自然にとってつけたものでもない。
ニゾンするギターソロなんかは・・・ハッ、そうだな、そのツインギターサキュバスの両の牙の如く鋭利さと蠱惑さとを持ち、この音に魅せられ噛み付かれたのならばそれはもう後の祭さ。気づけば虜になってるよ。「OZ」という魔物のね・・・。

10.Holy[CRAP BGM] ★★☆
ブチキレたボーカルと鬼のようなツーバス(多分)とでストレス発散してるデスメタルナンバー。
そろそろ本格的なメタル勢と渡り合えるようになったんじゃないっすか。
ぼくにはこの手のコアな曲の判断は致しかねます。

11.I killed yesterday’s me ★★
北欧メタル風のオペラ的歌唱法の後、前の曲のようにギャースカブチキレるという、いつものAメロBメロとサビが逆転したようなのメタルナンバー。いまいち。

12.Destination ★★★☆
いいじゃんいいじゃん。
スピーディーなヘヴィリフとデスヴォイスで絶叫するボーカルはいつものOZ。それに後期Laputaのようなトランス的電子音が煌びやかに鳴らされて、こ、これがOZ流ポストメタルか・・・!このAメロが最っ高!
ディスク4では定番となったコーラスワークもシャムシェイドのGET A LIFEみたいな男臭さでいい。
それだけにサビでキャッチーになるのがこれほど残念な曲はない。10曲目みたいな曲でこういうアプローチをして欲しかったな。

13.Again:st ★★★★
そして伝説・・・OZサビでキャッチー曲の集大成へ・・・。
上へ上へと突き上げるような超アッパーギターリフが爽快!ンギモッヂイイッ !!
短い曲なのにちゃんとしたソロもあるし一瞬の隙もない。
ボーカルは空耳がはかどる咆哮をあげた後、何だかいつも以上にに気合いというか魂-ソウル-が込められたクリーンパート。凄みを利かせてるというか、少なくとも今までのナルシストボイスとは違う。何かが宿ってますね。
少年漫画の主人公が追いつめられ、窮地でパワーアップしたときのような興奮と高ぶりを覚えました。

14.Edge of desire ★★★
配布曲。
ミディアムテンポのラウドロック
絶望から光を目指すというありがちなテーマですが、そんな詩を一語一語力強くボーカルが歌い上げ、中々感動的な仕上がりに。ラストのグロウルもいいアクセント。
サビでは荒々しく鈍重な楽器隊が、ポップで伸びやかな歌メロと乖離してる気もしますが、きっとこのあたりが絶望から光を目指してもがいてる感を演出してるんだろうね。

15.to CONTINUE ★★★
そしてよくバンドの解散ベストに見られる、○○が最後にぼくらに残してくれた新曲。
「忘れない君との日々」「同じ夢を見た愛しい日々」「誰も別れを受け入れながら」「いつか来る終わりの日は忘れたふりした」 と、もちろんファンの涙を誘わないわけはない句の数々。物憂く歌うボーカルに、ファン歴2日くらいのぼくももらい泣きしたぜ。
曲調はバラードではなく、OZらしい純粋な哀愁疾走ナンバー。ですが、クリアで清涼感のある音色のギターがとても新鮮。ピアノに泣きのギターソロ(いや、マジで泣いてるよこれは!)と、これでもかと感動要素が取り入れられ、これらが奏でるアンサンブルに感無量。拝聴しよう。

総評 ★★★☆
ディスク4は有終の美。というかcrunkは名盤だったんですね。
4枚組ですが、曲数的には大体アルバム7、8枚分入ってるのでコスパ最高。
あんまりこの手のジャンルに興味なくても1000枚限定だし買っといて損はないと思います。